布団大好き!

日記や所感など

鳥を埋めたよ

 

昨日の昼、内定式を終えて家を出るためリビングの窓を閉めに行くとベランダで緑色の小さな鳥が死んでいた。

なぜ植物も育てておらずエアコンの室外機と何年も使っていない流しのほかは何もない地上6階のベランダを死に場所に選んだのかは分からないが雀くらいの大きさの緑色の鳥がコロンと転がっていた。困るよ、と思ったけれど、放っておいて他の鳥につつかれたり虫にたかられたりするのはもっと困るのでちょうど不燃ごみに出そうと思っていたやかんを被せてとりあえず家を出た。

 

とはいえいつまでもやかんを被せておくわけにもいかない。ベランダに置いておいても分解されず土にも帰らずさりとて遺体(死骸と書くのはどうにも気が引ける)が勝手になくなるわけでもない。10月とはいえまだ暑い。このままでは腐ってしまう。仕方ないので家の目の前の公園に埋めに行くことにした。

何が原因で死んだのかわからない(鳥インフルエンザとかかもしれない)し老衰で死んでいたとしてもやっぱり野生動物は何の病気を持っているか分からないから迂闊に触ってはいけないというのが獣医師の祖父の教えだったのでゴム手袋越しに遺体を拾って紙の箱に入れる。

身体はまだ完全には固まっていなくて、風に吹かれて羽が小刻みに震えていた。体を持ち上げると頭が少し手の中で動く。首の骨を支える筋肉がもう機能していないからだったんだろう。

その時はじめて生々しく、遺体だ、と思った。

それまでは「鳥が死んでるなあ」としか思わなかったのが、手におとといまで生きていた生き物の感触を感じて、これは生き物が死んだものだ、と思ったのだ。うまく言えないけれど、二年前に祖父(母方なので獣医師ではないほう)が亡くなって遺体に対峙した時と同じ恐怖を感じた。

エレベーターに乗って鏡で自分の顔を見ると今にも泣きだしそうな顔をしていた。

でも無理もなかったんじゃないかと自分を擁護したい。だって私は棺桶を担いだことすらないのだから。

 

公園の土は子供たちに踏まれて固くなっている。本当は木の根元に埋めあげたかったけどスコップもシャベルもなかったので小鳥とはいえちゃんと埋められるサイズの穴を掘るのは無理だなと思った。だから小学校の倉庫裏の砂の山に埋めた。鳥さんごめんよ、と思いながら背を向ける。砂の中にもきっと虫がいるからいつか土に還れるといいね。輪廻転生は信じてないけどもし生まれ変わったら次に死ぬときはもう少しましな場所を選んでね。

 

後日談というか今回のオチ。全身10か所蚊に食われました。

 

それはそうと輪廻転生で思い出したんだけれど私の母には上のきょうだいが3人いて、そのうち次兄と姉は生まれてすぐ亡くなっているんですが、次兄(私にとっては叔父)の命日が私の誕生日だったりするんですよね。だから私がその人の生まれ変わりだと言われたこともあったり。いぬぼくとか読んでると生まれ変わりって結局どこまでその人なの?と思ったりもするしみんな自分の好きなように考えればいいと思うけど。

まあ私は生まれてすぐ死んだ記憶とかないのでよくわかりません

 

おわり