もち肌どら焼き「江戸ビューティー」のすゝめ

 

私はあんこが大好きだ。粒あんこしあん、白あん、黄身あん、桜あん、芋あん、栗あん、……どんなあんこも好きだ。粒あんこしあん論争なんてナンセンス。そんなつまらないことに気を取られている連中の手元のあんこをかっさらい、注射針で自分の脳天に注入したいくらい好きだ。私が点滴を打たれることがあったら、まず第一にあんこを点滴してほしい。私が生コン詰めにされることになったら、コンクリートではなくあんこを詰めてほしい。私を殴る時はあんこの塊で殴ってほしい。私を暗殺したくなったら寝ている私の口にあんこを詰めてほしい。

あんこを発明した人間がなぜノーベル平和賞を受賞していないのか甚だ疑問である。あんこは世界で一番すばらしい甘味と言って過言でない。神は一日目になんとやら、みたいな一説があるが、私に言わせれば神が一番最初に作ったのは小豆であり、二日目にそれを煮る鍋を、そして砂糖を作ったに違いないのだ。なぜならあんこは世界で一番すばらしいのだから。

 

そんなわけで私は和菓子が好きだ。特に好きなのは大福。もちもちの大福と中に詰まったあんのハーモニーときたら私にとっては核爆弾並みの威力がある。饅頭も好きだ。ふかふかのまんじゅうは唇に触れるだけで最高級の羽毛布団を思い起こさせる。饅頭布団の上で寝ることができたらどんなに幸せだろう。一晩中饅頭を食べ続け、朝が来る頃には胃が破裂して永遠の安らかな眠りについていること間違いなしだ。あと、大福に含まれるのか知らないが桜餅、柏餅、草餅、鶯餅、ずんだ餅なんかも好きだ。もちろんおはぎも好きだ。八つ橋も好き。秋田銘菓の金萬なんかも好きだ。あとは、青森県浅虫のローカルお菓子である久慈良餅。くじら餅を知らない人は人生を半分損しているとは言わないが、くじら餅という幸せを知れば人生の幸せが2倍くらいになると思う。口の中で砕けるくるみの香ばしさといったらこの世のものとは思えず、千葉にいながら浅虫の荒海にさらわれて昇天してしまうかと思うほど幸せになる。もちろん千葉に住んでいれば浅虫よりも東京湾からの津波東京湾沿岸埋め立て地域の液状化現象の方が怖いのは言うまでもないことである。

そして、何よりも外せないのが、どら焼きである。

どら焼き。すばらしい。まず名前がすばらしい。銅鑼。口に含むと脳天を銅鑼で殴られたような幸福感が身体中を電撃のように突き抜けることからその名前がつけられたと言われているのはあまり知られていない。原材料は小麦、卵、砂糖、牛乳、あんこ、などなど。白玉粉や餅粉を使うともっちりした触感になるほか、ハチミツやニッキ、抹茶などを生地に練り込むもよし。あんこに栗や餅が入っているものはまた格別である。先日生八つ橋の挟まったどら焼きを食べたが、あれはけしからん。言語道断の行いである。この世のものとは思えないほどおいしく、あやうく2個目3個目と手を伸ばしてしまうところだった。

 

そんな私が東京駅をぶらぶら歩いていると、見慣れない店を見つけた。ふらふらと近寄っていくとどら焼きの店だった。すばらしい。試食させてもらうとどら焼きの生地がもう今までに食べたどんなどら焼きよりもふかふかのもちもちなんである。なんとハチミツとニッキだか黒糖だかを練り込んでいるんだとか(おいしすぎて正直よく覚えていない)。4月15日までの期間限定販売ということでいてもたってもいられず抹茶どら焼き3個入りを買った。3個で800円くらいした気がするが舞い上がっていたので正直よく覚えていない。1個いくらだ。おいしさを考えると実質1個マイナス300円くらいか。

早速抹茶どら焼きを食べてみる(これを食べるために朝ごはんのパンを抜いた)。まず感じるのは生地のもっちりした感触。正確に表現するなら「もっっっちり」とでも言った方が適切なくらいのもっちり加減。そして、ふんわりと香る抹茶の香り。弱すぎず、しかし強すぎず、味もあり、ふんわりと香るいい具合の抹茶だ。そしてあんこ。あんこもすばらしかった。

以上を鑑みると日本に存在する数多くのどら焼きの中でも一、二を争うどら焼きだったことは明白だと思う。東十条の黒松のどら焼きもいいし、なんなら近所のスーパーに売ってるどら焼きも十分おいしいけどね。東京駅を通る人がもしこれを読んでいたらSouthCourtとかのそばにあるお菓子売り場(SouthCourtではない)にあるこのどら焼き買った方がいいです。マジで。あんこが憎くなければ買うべき。4月15日までです。あー毎食このどら焼き食べたいな。

 

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